2006年04月11日

アスリートのためのトレーニング〜肩周りのインナーマッスル〜

(このコラムは、山本さんの過去の記事をもとに作成しています。)

今回はインナー最終編ということで、肩周りインナーマッスルの鍛え方についてご紹介しましょう。

肩周りのインナーマッスルとしては、主に次の4つが挙げられます。

1.棘上筋
2.棘下筋
3.肩甲下筋
4.小円筋
 
さらに菱形筋や三角筋後部、前鋸筋なども重要となります。
さて、上記の中で特に通常のウェイトトレーニングで刺激しにくいのが棘下筋です。
棘上筋や三角筋後部は三角筋のレイズ系エクササイズで刺激され、前鋸筋は胸や肩のプレス運動、肩甲下筋は胸や背中のトレーニング、小円筋や菱形筋は背中のトレーニングでも刺激されます。

しかし棘下筋を刺激するエクササイズは通常のウェイトトレーニングではあまりなく、よって肩周りインナーマッスルを鍛える場合、棘下筋のエクササイズを最重要課題として考えてください。

では棘下筋のエクササイズをご紹介します。

ダンベル・エクスターナルローテーション
1.左肩を下にして寝る
2.右ひじを90度に曲げ、手首を少し掌屈させて軽いダンベル(1〜2kg)を握る
3.右ひじは体幹部より20度ほど外側に離し、さらに20度ほど前に出す。やや肘が斜め前に出る感じ
4.肘の位置、肘の角度、手首の角度を一定に保ち、ゆっくりと上腕骨を外旋させる
5.自然に止まるところまで外旋させ、ゆっくりと戻す
6.ゆっくりとしたテンポを崩さずに、20〜30回行う
7.終わったら左側を。双方2〜3セットずつ行う

チューブ・エクスターナルローテーション
1.チューブの端を輪になるように結び、その中に手首を通す
2.逆の端を柱などに結んで固定する。固定する位置は肘よりもやや下
3.あとは同様に肘を体幹部より20度外側に離し、さらに20度前に出した位置で固定し、外旋運動を行う
4.以下、同様  
 
なお、この運動では棘下筋だけでなく小円筋も刺激されます。
特にインナーマッスルは遅筋が多く、またフォームが崩れるとアウターマッスルを刺激してしまいがちなため、軽い重量で高回数を行うようにします。

チューブの場合、初動での負荷が弱いためリハビリに向き、いっぽうダンベルの場合、怪我の予防としてのインナー強化に向きます。

そして次に重要なのは前鋸筋と菱形筋です。
前者は肩甲骨を広げ、後者は肩甲骨を寄せる役割があり、この二つの協働動作がアスリートのパフォーマンスに大きな影響を与えます。

エクササイズとしては、
前鋸筋のエクササイズ
1.仰向けになって軽めのダンベル(3〜4KG)を両手に持つ。
2.ダンベルを持って、上に差し上げる。ダンベルベンチプレスのトップポジションをイメージ。ただし両手を向かい合わせる。
3.肘を伸ばしたまま、ダンベルをゆっくりと上下させる。
4.ダンベルを上に挙げるとき、肩甲骨が開くことを意識する。また下ろすときに肩甲骨が寄ることを意識する。
5.やはり20〜30回、2〜3セットを行う。   

菱形筋のエクササイズ
1.うつ伏せになって片手にダンベルを持つ。
2.肘を曲げてダンベルを身体の背面、腰の上あたりに持ってくる。
3.肘はだいたい90度に曲げた状態を保ち、ダンベルをできるだけ上に挙げる。このとき、肩と肘、ダンベルのすべてをできるだけ高く挙げるように努めること。
4.ゆっくりと元の位置に戻し、同じ動作を繰り返す。やはり20〜30回、2〜3セットを。   
 
残る棘上筋や肩甲下筋については割愛させていただきますが、もし他の筋肉群とくらべて筋力不足を感じた場合は、積極的にエクササイズを行うようにしてください。

通常のウェイトトレーニングだけでなく、こういったインナーのトレーニングを行うことによって、アスリートのパフォーマンスは確実に向上します。

リハビリとしてだけでなく、普段からの強化を心がけてください。

なおインナーが強くなることによって軌道が固定されるため、ベンチプレスやスクワットなどの挙上重量が伸びることはザラです。

さらに、例えば深層外旋六筋群が発達すればヒップの上が盛り上がって格好いい形になりますし、腹横筋が発達すれば出っ張った腹が引っ込みます。

また棘下筋を含めた肩周りインナーが発達することによって、三角筋が内部から盛り上がり、三角筋のサイズ自体が増えるということも起こります。

すなわちインナーのトレーニングによってアウターへの直接的な影響も起こりますので、時間が無いからといって省いたりせず、できるだけ普段からインナーをトレーニングするようにしていきましょう。



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