2006年04月12日

アスリートのためのエクササイズ〜ダンベルプッシュプレス〜

(このコラムは、山本さんの過去の記事をもとに作成しています。)

今回は上半身のエクササイズです。
爆発的なプッシュ系パワーのために効果的な「ダンベル・プッシュプレス」をご紹介しましょう。

■ 上半身の重要エクササイズ その3 〜ダンベル・プッシュプレス〜

ダンベル・プッシュプレス

ダンベルを使ってのショルダープレスで、脚の反動を使って行うものです。
一般的には上記のようなフォームになりますが、パフォーマンス向上のためには、ここからさらに変化を加えます。

● 変更点
1.肘を張り、頭の横に来るようにする。肘の軌道が体側部を動くように。
2.しゃがむときには膝を前に出さず、脛を垂直にして腰を後ろに引き、股関節で行うスクワットのような感じでしゃがむ。
3.膝を伸ばすのではなく、大腿部を後ろに追いやるような感じで、ハムと臀部の力を使って立ち上がり、その爆発力を上半身に連動させる。重心はカカトから足底中央に位置させること。
4.動作中、脊柱起立筋群の緊張を常に保持すること。

バーベルを使ってのプッシュプレスに比べ、ダンベルで行うことによってスタビライザーをより多く動員することができます。
特に脊柱起立筋群の上部に強い刺激を感じられることでしょう。
またバーベルだとバーが頭にぶつかってしまうため、肘を張って行うことができません。

● ダンベル・プッシュプレスの注意点
上に述べたこと以外に、できるだけ爆発的に挙上することが一番のポイントとなりますので、これを最初に踏まえておいてください。
爆発的挙上ができないようであれば、重量が重過ぎるのです。

またトップポジションでは両腕を平行に、また地面と垂直になるようにします。
腕が開いてしまったり、内側に閉じてしまってはいけません。
またダンベルが前方に流れないように注意してください。
なお手のひらは常に前を向き、ダンベルを回転させないようにします。
そして下ろす位置としては、だいたいダンベルのシャフトが耳たぶくらいの高さになるまで下ろすようにします。

繰り返しになりますが、上半身の力で挙げるというよりは、ハムと臀部の爆発的な力を上半身に伝えることです。
下半身から連動されて伝えられる力によって自然にダンベルが持ち上がってしまうような動きであり、上半身はむしろ動作を安定させるためのスタビライザー的役割に過ぎないと考えて下さい。

またダンベルを下ろすときは粘らずにストンと落としますが、このときに肩の力で支えるのではなく、下半身の力で受け止めるように心がけます。
ちょうどジャンプからの着地の際、膝と腰のクッションを上手く使って衝撃を和らげるときの感じです。
ハムと臀筋の力で上手くダンベルの重量を受け止め、そこから爆発的に挙げる。
ここでの切り返し動作が非常に重要だと心得てください。
なお、腰への負担も大きいため、ベルトは着用するようにしたほうが良いでしょう。

● なぜダンベル・プッシュプレスなのか?

下半身の力を上半身に連動させるというのは、多くの競技において不可欠となる要素です。
このためにパワークリーンのようなエクササイズが推奨されることが多いのですが、ジムでパワークリーンをやっているトレーニーを見ると、その大半が間違ったフォームになってしまっています。
これは正しい指導者に教わらなかったということだけでなく、エクササイズそのものの難しさが原因だとも言えるでしょう。
しかしダンベル・プッシュプレスは比較的フォームをマスターしやすく、また怪我の危険性も少ない「下半身→上半身のチェーンエクササイズ」の一つなのです。

なおこれはベンチプレスなどの使用重量を挙げるのにも効果を出すことがあります。
ベンチプレスで高重量を扱うためには、「背中で支え、足で挙げる」感覚をつかむことがポイントとなるのですが、ダンベル・プッシュプレスはこの感覚を学習するための良いエクササイズとなります。

● セット数やレップス数、インターバルの考え方

前号でも述べたとおり、アスリートのパフォーマンスアップのためのエクササイズとしては、「高重量・低回数」で行うのがセオリーです。
また、特に爆発系のエクササイズでは、爆発的に挙げることができなくなってきたら、そこでレップを中止するようにします。
粘ってゆっくり挙げて数回をプラスアルファしても、目的とする効果は得られません。

ダンベル・プッシュプレスは比較的安全で、正しいフォームもマスターしやすいエクササイズの一つです。
ただし初級者はここで述べたような注意点を守ることが難しいと思われますので、まずは軽い重量で行うようにしてください。
特にハムと臀筋を使う感覚、切り返しをすばやく行うことを最初にマスターするようにしましょう。
ここでは筋肉および神経系への負担が少ないため、セット数は多めにします。
インターバルも短くて良いでしょう。

中級〜上級になったら、どんどん重量を増やして行くようにします。
最高で3レップスくらいがギリギリとなる重量まで上げても良いでしょう。
もちろん、爆発的挙上ができていることが前提です。

なお、このレベルとなるとダンベルをスタートポジションまで持ってくるのが一苦労となります。その場合はパートナーに手伝ってもらうなどしてください。

さて、以上をまとめると、

● ダンベル・プッシュプレスを行う場合のセット数、レップス、インターバルの目安

・初級者の場合
 回数:8〜10回 (切り返しの早さ、ハムと臀筋でのコントロールに注意)
 セット数:3〜4セット
 インターバル:2分

・中級者の場合
 回数:5〜7回
 セット数:2〜3セット(ウォームアップ1セットを別に)
 インターバル:3〜4分

・上級者の場合
 回数:3〜5回
 セット数:2セット(ウォームアップ2セットを別に)
 インターバル:4分

このようになります。
爆発力養成エクササイズの入門として好適な「ダンベル・プッシュプレス」。
競技能力向上を目指すアスリートの方は、ぜひ取り入れてみてください。
これがマスターできれば、パワークリーンなどの上級編エクササイズへの移行もスムーズに行くことでしょう。


※このエクササイズは『ゴルフ筋肉』DVDに収録されています。



トップページに戻る。














golfmuscle at 13:55 │clip!